■ 湘南外科グループとは

 湘南外科グループの外科研修は、湘南藤沢徳洲会病院(旧:茅ヶ崎徳洲会総合病院)が中心となって、General surgeonを育てるためにアメリカ式の教育プログラムを取り入れて研修を行ったのが始まりである。初代チーフレジデントを輩出してから25年以上が経過した現在では南関東の徳洲会病院を中心に7病院を基幹病院として、総合外科医を育てるための研修プログラムを実践し、これまで50名以上のチーフレジデントが当プログラムを卒業している。

 湘南外科グループ外科専門研修プログラムは、卒後6年間の外科レジデント教育プログラムと6-10年目までの指導医教育プログラムから成っている。3年次から6年次までの研修期間を通して約1300例の手術を執刀するが、症例数の多さに流されることなく一例一例の患者さんとの触れ合いを大切にし、各疾患の医学的知識と外科治療技術の研鑽を怠ることなく日々精進して、「メスの持てる(手術のできる)内科医(総合診療医)」であることを理想とする。

 1年次の3ヶ月外科ローテート期問中の受け持ち患者内容は一般外科全般に広くにおよぶ。担当医として平均10名前後の患者を受け持ち、そのうち数名は常に術後急性期または集中治療を要する症例である。

平均在院日数が約10日と短く患者回転が早いので、それでも症例数は充分である。診療方針は上級レジデント、チーフレジデント、指導医(主治医)のチーム内で決定し、インフォームドコンセントを実践し、チーム医療を行なう。受け持ち患者の診断治療手技や、手術の介助、麻酔、あるいは術者として参加する。

1年次ローテート中には、皮膚良性腫瘍切除、虫垂切除、膿瘍切開排膿などの執刀を平均して5例以上経験し、全身麻酔、腰椎麻酔、局所浸潤麻酔法を実践し、手術適応の決定、手術内容の把握、術前術後管理、終末期ケアを学び、一般的な創傷処置法を研修する。

 3年次以降も外科専門後期研修を行うことを希望する者は、日本外科学会認定医を取得するための必要単位の観点からも、2年次に外科ローテートすることが必要である。2年次研修医は1年次研修医を指導しつつ、より多くの臨床経験を積む。

この期問にはより高度な手術手技の執刀もするようになり、鼡径ヘルニア根治術、リンパ節生検、乳房生検、痔核痔瘻根治術、静脈瘤根治術などを経験し、創傷処置方法にも形成外科的な技術を加える。

2年間の初期研修終了後も外科専門研修を希望する場合には、湘南外科グループの後期研修医として採用され、グループ内の基幹病院を中心に4年間外科専門研修を継続できる。3年次以降では乳腺・甲状腺外科、日帰り手術の他、消化器癌・呼吸器癌の根治手術、腹腔鏡手術、外傷外科、血管外科といったさらに高度な手術を学ぶ。また安全で確実な全身麻酔・腰椎麻酔を目指し、更に硬膜外麻酔法も研修する。

 6年次はチーフレジデントとして、24時間365日オンコール体制をとり、すべての緊急手術に関与する。また、インフォームド・コンセントや患者教育、カンファレンスの主催を含むレジデント教育を行う。チーフレジデント終了時には、一般外科のすべての領域の手術手技が独立してできるだけの実力が十分に得られる。

 グループの基幹病院は日本外科学会専門医制度修練施設、日本消化器外科学会認定医制度関連施設、日本胸部外科学会認定専門医関連施設に認定されているので、卒後4年間の研修によって日本外科学会専門医受験資格、日本消化器外科学会認定医受験資格などが取得できる。

■ グループ化のねらい
 単独施設では経験しにくい症例や、異なる患者層に触れることによって外科医として幅広い経験を積むことができる。また、複数の施設を回ることでチームワークや人的な交流の微妙な調整についても学ぶことができ、将来チームリーダーとして活躍できるよう総合的な研修を行う。
■ 「SSA」の意味
 Shonan Surgical Associationを略したもので、日本名は湘南外科グループである。
命名は当グループのチーフレジデント卒業生であり、ACLS協会代表、青木クリニック院長の青木重憲先生が命名された。
■ ロゴマークの意味
 SSAの頭文字でありますSが象られている。そしてどことなくメスや我々のシンボルであるメッツェンバウムが存在するのがわかるであろうか?また湘南の海のマリーナを意識したヨットやいかりの形が連想できる。